組織論~其の弐~

※このブログは『経営理念コンサルタント 秋葉亮爾』(Livedoorブログ)のリバイバルです※

今日はハーズバーグ様からカリマス(借ります)!!の巻き其の弐です。

まずはおさらいです。

【ハーズバーグ様の理論】

作業環境や就労条件などの『 衛生要因 』

仕事の達成や業績の承認、職務に対する責任や権限委譲などの『 動機づけ要因 』

の2つの要素があるという理論。

『 衛生要因 』は、満たされていないと不満足につながるが、満たされていてもやる気にはつながりにくい。

『 動機づけ要因 』は、満たされていなくても不満にはならないが、満たされると満足度が高まりやすい。



昨日のゴミ拾い会社を例に取って考えてみましょう。

世の中に【ゴミ拾い】という仕事しか存在していないと仮定してください。
拾ったゴミは、重さに比例してお金に換えられます。

その【ゴミ拾いをする会社もしくはチーム】には下記のタイプがありました。

①より多くのゴミを拾うことを追求する会社もしくはチーム

②より大きなゴミを拾うことを追求する会社もしくはチーム

③ゴミを拾う事でその地域に住む人や動物が快適に暮らせるように心から願っている会社もしくはチーム

④より重いゴミを拾うことを追求する会社もしくはチーム



より重いゴミをより多く拾い集めれば、より多くお金に換えられますね。
ゴミ拾い=仕事をした結果、お金=成果となっていますので、下記のように表すことができます。

拾ったゴミの数
拾ったゴミの総重量
拾ったゴミの平均重量

換金したお金の合計金額

拾ったゴミの平均単価
拾ったゴミの最高金額
拾ったゴミの最低金額
etc.....

このような数字を会社のスコアボードとして統一化する事により、仕事の成果で人を計る尺度が出来ます。

より効率的に働いているのは誰で、より多くの成果を残しているのは誰か?
結果的により多くの成果を挙げている人を高く評価すれば良いので、人事評価制度も簡単なんです。
これが、ちょいと前に流行った【成果主義】の基です。

あっ、そうそう、今の例では簡単にお伝えするために売上でしか見ていませんが、一般の会社ではちゃんと利益で考えてくださいね。

仕事の達成や業績の承認、職務に対する責任や権限委譲などの『 動機づけ要因 』ですから、数字で見るとわかりやすいので置き換えてみましょう。

より多くのゴミを拾うことを目標としていれば、本来は拾ったゴミの数が多い人が高い評価を得る筈です。
より大きなゴミを拾うことを目標としていれば、本来は拾ったゴミの大きさが大きいほど高い評価を得る筈です。
より重いゴミを拾うことを目標としていれば、本来は拾ったゴミの総重量が重い人が高い評価を得る筈です。

でも、最終的にはお金に換えますので、換金して得たお金が多い人が高い評価を得るように変わりやすいのです。
その結果、①②④の会社は同じような会社もしくはチームとなってしまうでしょう。

動機づけ要因を売上目標と置き換えて読んでみましょう。

『 売上目標 』は、満たされていなくても不満にはならないが、満たされると満足度が高まりやすい。

会社やチームにぶら下がるタイプの社員もしくはメンバーであれば、達成すれば自慢しますが、達成しなくても給料もらえればいいやって事になりますね。
パレート様(カリマス!!)の法則(2:8の法則)で言えば、8割の社員もしくはメンバーがこうなってしまう可能性が高いという事です。

それではヤル気満々で評価の高い社員もしくはメンバーはどう思うでしょうか?
ヤル気満々の社員もしくはメンバーは、売上目標に対する考え方も非常にシビアです。しっかりと自己管理も出来ているので、売上目標が満たされないのも不満に思います。
周りに売上目標が達成していない社員もしくはメンバーがたくさんいるのも不満です。
そうなると、社員やメンバーが高い給料なんてもらってたら、もっと不満です。
トップ(社長や役員)よりももっと効率的に売上を伸ばす方法に気がついたとき、同じような会社が他にあれば、自分にとって条件の良さそうな会社もしくはチームに転職してしまう事でしょう。
勿論、ヤル気満々の社員もしくはメンバーが自分の収入だけを目標として仕事をしていれば、その社員もしくはメンバーの給料を吊り上げて引き止める事が出来るかも知れません。
でも、その会社もしくはチームで一番高い給料をあげる事は現実的でしょうか?


さて、それでは③の会社もしくはチームの場合はどうでしょう?

【ゴミを拾う事でその地域に住む人や動物が快適に暮らせるように心から願っている会社もしくはチーム】

ハーズバーグ様は、作業環境や就労条件などを『 衛生要因 』と定義づけていらっしゃいますが、アキバ的には作業環境や就労条件を決定する根源となるものを、ある意味勝手にですが経営理念と位置づけております。
(強引かも知れませんが、そう位置づけさせてください)

③の会社もしくはチームの目標・目的は、『その地域に住む人や動物が快適に暮らせるようにする事』を通してビジネスを展開していきましょうというものですね。

『その地域に住む人や動物が快適に暮らせるようにする事』に共感・共鳴していれば、それは永遠の目標・目的ではないでしょうか?

『 衛生要因=経営理念 』に共感・共鳴していれば、満たされていないと不満足につながるが、満たされていてもやる気にはつながりにくいのです。

ここでもう一度パレート様の法則(2:8の法則)です。
マズロー様のの欲求五段階説をお借りして(カリマス!!)、それを裏返して考えた場合、不満につながるのは8割で、やる気につながらないのは2割です。
ちょいと長くなり過ぎましたので、申し訳ございませんがマズロー様の欲求五段階説の説明は、今日は割愛させて頂きます。

8割のぶら下がる可能性の高い社員もしくはメンバーが満たされない事により不満につながる事を満たして、
2割のぶら下がらない可能性の高い社員もしくはメンバーが満たされてもやる気につながらないとしたらどうでしょう?
おっと、そもそもその会社もしくはチームの『 衛生要因=経営理念 』に共感・共鳴して集まったメンバーもしくは社員ですから、そこにはパレート様の法則すら存在しないかも知れませんね。



「衛生要因」=『経営理念』
「動機づけ要因」=『ビジネスモデル』

こう位置づけた場合、どう読み取れるでしょうか?

ビジネスモデスはお金を稼ぐ仕組みです。
そこにはお金を稼がせて頂く市場もあるので、マーケティングが重要なポイントとなっています。
マーケティングを簡単に「稼ぐ」に繋げるのであれば、ポジショニングです。
その市場の中で、できるだけ競合しない、対決する必要の無いポジションを見つける事です。
それは、裏返しにすれば、我こそが社会貢献できる場を自ら探し出して提供してあげるという事です。

経営理念は『何のために仕事をするか?』という社会(社外)表明です。
その表明に対して、市場にいらっしゃる方々は評価をします。
その評価とは、簡単に言うと『社会的に存在価値があるか?無いか?』に繋がります。
細分化すると、「あってもいいけど使わない」とか、「無いと困るけどめったに使わない」という評価も確かにあります。

どちらが重要という事ではなく、どちらも重要ですね。
ちょっと今日は長くなってしまったので、また続きを書きたいと思いますが、経営理念の大切さに気づいて頂けましたでしょうか?

最後にもうひとつ。
①②④の会社もしくはチームがその目標を「衛生要因」として再構築する事も可能です。

①より多くのゴミを拾う機械を作ったり、スキルやノウハウを創造して売る。
②より大きなゴミを拾う機械を作ったり、スキルやノウハウを創造して売る。
④より重いゴミを拾う機械を作ったり、スキルやノウハウを創造して売る。

こうする事により、専門的に特化したポジショニングが可能になります。

さぁ、柔軟に考えてみましょう!!

2007年06月12日|ブログのカテゴリー:組織